27:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:02:18.70 ID:QQKHlK4R0
出鼻を挫かれた私は声のした方に首を向ける。声の主は千川ちひろさん、この事務所の事務員だ。
休憩室に入るタイミングを失った心に小さな苛立ちはあったものの、それをちひろさんのせいにするのは理不尽だろう。
私は彼女に向き直りぺこりと頭を下げた。
「おはようございます」
「はい、おはようございます♪プロデューサーさん見ませんでしたか?」
彼女がいつもの柔らかなトーンで私に尋ねる。
嘘を付きたい気持ちがふつふつと持ち上がるが、彼女の仕事を邪魔する訳にはいかない。
「いいえ、でも声がするから多分休憩室じゃないかしら」
「そうですか、ありがとうございます」
ちひろさんは私の横を通り過ぎ、休憩室の入り口から顔だけ覗き込んだ。
「プロデューサーさん。…ちょっといいですか?★」
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