30:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:04:39.77 ID:QQKHlK4R0
事務所からの帰り道、私は事務所近くの喫茶店の窓際に座り、道行く人を眺めていた。
確かプロデューサーさんはこの道を通るはず。
彼を見かけたところでどうするかなんて考えていない癖に、待ち伏せめいた事をしている自分が酷く滑稽だ。
それでも待ってみたい。そしてあわよくば偶然を装い話しかけ、いつもと違う格好の私を見て欲しい。
そんな子供のような欲求を満たすために、私は窓を眺め続けた。
空は鉛のように重い色に染まり、大粒の雨が地面で砕けている。
雨脚がゆっくりと強くなるにつれ、彼がタクシーで帰るのではないのかと心配になってきた。
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