過去ログ - 【キズナイーバーSS】 「仄かに薄れて消えるる私は」
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13: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 21:30:14.93 ID:8pdSuCqxo

 発作のとき、苦しくて、苦しくて、苦しくてたまらなくなって、身体はなんだか私の身体じゃないみたいになる。

 私の身体じゃないなら、私の望み通りになって欲しい、と考えるのはおかしい。

 全部は運任せ。運命が決めること。

 そういうどこか一歩引いた目で、自分のことを見ていた。

 それでも、嫌にませた幼い頃の私にだって、こんな私を産んで、精一杯育ててくれた両親に報いなければならない、という思いはあった。

 ただそれは、私にとっては、実現して欲しい何かというよりも義務に近いものだった。

 生まれてきたからには、両親のために、義務を果たさなくちゃ。

 私のために、生きたいという気持ちは正直なかった。だって、しょっちゅう苦しかったから。

 両親がいなくなって、楽に死ねるなら、そういう機会があれば、それでもいいかな。内心そう思っていた。

 私は下手に賢すぎたんだと思う。生きる意味が「両親のために」以外見つからなくなっていた。


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