過去ログ - 【キズナイーバーSS】 「仄かに薄れて消えるる私は」
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9: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 18:37:45.24 ID:8pdSuCqxo

 私は覚えている。

 母はしばしば確かめるように「あなたが生まれてきてくれて本当に良かった。あなたは、私のすべてなのよ」と繰り返した。

 私は、生まれてきて良かったのだ。

 それで事が足りてしまった。

 見ず知らずの他人に興味など湧かなかった。

 そして、父や母に喜んでもらうことばかり考えた。

 父は、当時も今も、人間の理性の力というものを深く信じている人だ。

 だから、幼い私に、死ぬまで一生背負わざるを得ない宿命のことを隠さずまっすぐ告げてくれた。



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