過去ログ - 【募集系】平行世界の聖杯戦争【安価】 -SS速報VIP

過去ログ - 【募集系】平行世界の聖杯戦争【安価】

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625:11/11 ◆BX96/KwFHU[saga]
2016/07/10(日) 21:51:20.68 ID:RX8lV9ODo

　×××

　そして、会話も一段落つき、日も落ちて、辺りがスモッグによる薄暗さから夜の真っ暗な闇へと変貌した頃合いに、会はお開きとなった。

　「それじゃまたね。私の連絡先、預けておくから、また何かあったら蒸信送って」

　そう言って蒸信アドレスを書いた紙を、クレアはサッシャに手渡した。
　サッシャも咄嗟にポケットをまさぐり、エンピツと紙片を取り出して連絡先を書き留め、クレアに渡した。

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　去って行くクレアを眺めながら、サッシャは気づかれない程度に息を吐いた。
　心ががりがりと削られる感覚だった。
　もう二度と会えないと思っていた人に出会えたというのに、どうしてこんなに気持ちが暗くなるんだろう。

　兎にも角にも、この気持ちを消化するためにやるべきことが一つある。
　それは、依頼主であるハンナ・エーブリー女史に、彼女が何故夏日星計画を破滅させようとするのかを聞くことだ。

　彼女の目的が、大勢の人から夢を奪うに値することなのか――――それによって、仕事をやるか、それともやらないかが決するわけではない。
　この仕事は自分のもので、自分だけのものだ。今更手放すなんて、とんでもない話。

　だけど、何故、夏日星計画が自分の手によって破壊されるに至るのか。
　それを理解しているかどうかでは、自分の気持ちの入りようが違ってくるだろうし、それに、迷いもある程度は取り払われるだろう。

　何をやるべきかは定まった。
　あとは順番に片付けていくだけだ。サッシャは自分に言い聞かせるように、小声で二回唱和して――――それから帰途についた。

【今日はここまで】
【次回は、敵対勢力についてのプロローグになると思います】

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