過去ログ - 一ノ瀬志希「あたし、早苗ちゃんの衣装を着てみたいな」
1- 20
5: ◆Freege5emM[saga]
2016/05/30(月) 00:05:41.44 ID:Vp5taCI7o

「ナニを着たらいいのかなぁ……って、みんなの衣装も参考に考えてたんだ」

あたしが悩みを打ち明けると、早苗ちゃんはあたしの広げていた写真を並べ直した。

「ふーん……どういう衣装があるのかなーってのを知るにはいいかも知れないけど、
 結局は、志希ちゃんが着たいモノを選ぶしかないんじゃないかなぁ」
「あたしが……着たいモノ?」



早苗ちゃんは、並べ直した中から、例のボディコンの写真を一枚手にとって、

「志希ちゃんには、昔憧れた――あるいは、今憧れてる――モノとか、ヒトとか、無い?
 アイドルなら、それになりきるコトが許されるのよ」



アイドルは、たいていのモノになりきれる。
あたしで言えば……

カウガール、
i.imgur.com

錬金術士、
i.imgur.com

大正浪漫の女学生、
i.imgur.com

マッドサイエンティスト、
i.imgur.com

サンタガール、
i.imgur.com

とか、色々やってきた。



ただ『アイドルが一日署長として婦警のカッコするのは、元婦警として思うトコロあるけどね……』
と、早苗ちゃんは言ってたけど。

じゃあ、あたしはナニになりたいのか。



憧れ、という言葉を頭に残したまま、並べられた早苗ちゃんの写真を見て、
あたしの目は、ある一枚で止まってしまう。

「おっ、志希ちゃんはソレが気になるのかな?
 女の子の永遠の憧れ――純白の花嫁姿!」



早苗ちゃんが指差したのは、ウエディングドレスで笑う彼女の写真だった。


i.imgur.com



「良かったらさ、事務所に頼んで、あたしのコレ貸してもらおうか」
「えぇ、それは……ほら……ムネとか、さ」
「大丈夫でしょ。これ後ろが紐だから調整利くし。
 志希ちゃんあたしよりタッパがあるんだから、トップの数字ほどムネのボリューム差はないハズよ」

あたしは、ドレスを着た自分の姿を想像しかけて、
そこにずっと昔に写真で見た、あたしのママのドレス姿が脳裏に割り込んで、消えてった。

「まさか、結婚式の前に着ると結婚が遅れるって迷信、信じてる?」
「別に、そんなワケじゃ」



女の子が誰しも一度は憧れ、一生に一度、身に纏えれば……という、永遠の愛を誓う晴れ着。
フツーの女の子を、押しも押されぬフロアの主役とする魔法がかかってる。

それは、あたしにとって最も縁遠い衣装かも知れない。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
16Res/16.66 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice