109:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 01:33:44.56 ID:49W9hqJ1o
大人たちの娘自慢、というよりもドール自慢大会が始まろうとしていたその時、凛がこっそり卯月に耳打ちするとおもむろに席を立った。
凛「…………あんたも来なよ」
蘭子「わわわ私ですかっ?!」
凛「他に誰がいるの?」
さながら不良に絡まれる哀れな女学生といった風である。
凛が卯月の手を引っ張って大人たちから離れたテーブル席に座った。
蘭子(うぅ……なんだか怖いよぉ)
向かい合って座った蘭子を、凛は相変わらず不満そうに睨んでいる。
卯月「凛ちゃん、お料理が来ちゃいますよ」
凛「そしたら取ってくればいいよ。どうせ貸切なんだし、どこに座っても同じでしょ」
蘭子「…………」
凛「あの人たちの話なんか聞きたくない。どうせ卯月のことを便利なお手伝いロボットか何かみたいに思ってるんだから」
蘭子「そうなの……?」
卯月「えっと、違うんです蘭子ちゃん。これはその……」
凛「卯月も卯月だよ。なんでも素直にハイ、ハイって頷いてばかり。たまには我侭を言ってもいいんだよ?」
卯月は困ったような曖昧な笑みを浮かべるのだった。
卯月「でも凛ちゃん、私本当にしたい事なんてありません。ただお父さんやお母さん、凛ちゃんと一緒に居られればいいんです」
卯月の言い方から、このやり取りはこれまでも何度も繰り返されてきた事が伺える。
凛は呆れたように溜息をつき、再び蘭子を見据えた。
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