133:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:27:51.34 ID:49W9hqJ1o
楓は次に社長室を探した。
しかし、この会社に勤め始めて数年、そんな部屋があるとは聞いたこともない。
とりあえず、駄目元で総務部に居る人たちに尋ねてみた。
まゆ「社長室?そんな部屋ありましたかぁ?」
輝子「フヒ……き、聞いたこと、無いな……」
幸子「無いなら作ればいいんですよ! フフーン、やっぱりボクは天才的にカワイイですね!」
そんなわけで新たに社長室が作られることになった。
ほとんど使われることのない空き部屋に机が1台運び込まれ、殺風景な社長室が出来上がった。
幸子「そういえば聞きましたよ、楓さん。社長お付の秘書になったんですよね?」
楓「なんでさっちゃんがそんな事知ってるの」
幸子「さっちゃんじゃなくて幸子です! ……オホン、まあいいです。つまりですね。今日から楓さんの仕事場はここってことです」
楓「社長分の机しか見当たりませんけど……」
幸子「残念ですが、余ってるのがそれしかないんです。しばらくはそれ使ってください。あと、何か必要なものがあったら総務部に言ってくださいね」
楓「お手を煩わせてすみません……それよりさっちゃん」
幸子「さちこ、です」
楓「社長が今どこにいるか、知りませんか?」
幸子「そんなのボクが知るわけないじゃないですか」
楓「ですよねえ。いくら世界一カワイイさっちゃんでも、知らないことくらいありますよねえ」
幸子「ま、まあ本当は知ってるんですけどね? でも残念ながら教えられないんです。企業秘密ですから」
おそらく企業秘密の意味を分かっていないのである。
「ではボクも仕事がありますので」と言って逃げるように帰って行った。
楓は、とりあえず自分のPCだけ持ち込んで社長室に篭った。
あとはもう自分1人でなんとかするしかない。
池袋博士にどう説明すればいいか必死に考えつつ、志希から送られてきた資料に目を通し、気付いたら約束の時間はすぐそこまで迫っていた。
楓は出かける準備をした。
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