136:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:31:56.25 ID:49W9hqJ1o
飛鳥「まあ、そんな事は今はどうでもいい。キミはボクに何か聞きたいことがあるんじゃないのかい?」
楓「聞きたいこと……?」
楓は用意してきた資料を思い出した。
志希が作ったスペースネット、共感覚、ドール、それらにまつわる質問要項。
その一番最初に書かれている台詞を読み上げる。
楓「……あなたは一体、何者なんですか?」
飛鳥「素敵な質問だ。でも答えるのは難しい」
飛鳥はそう言ってしばらく夜景に目をやった。
楓は待った。
飛鳥「……じゃあ、二宮飛鳥というドールについて話をしよう。キミはもちろんドールをよく知っているね?」
楓「はい」
飛鳥「ボクはいわゆる民間用に作られたドールじゃない。大戦時、軍に製造された兵器なのさ。一般に公にされていないけれど、終戦間際には、前線に居た戦闘員のほとんどはドールだった。ドールの研究というのはそれくらい昔から行われていたんだよ。ボクはその終戦直前、軍用としては最後に作られた個体のうちの一体なんだ。
飛鳥「終戦から二十数年年経つけれど、実は性能という面で言えば、軍用ドールというのは今の民間用ドールなんかより遥かに高性能・高機能だったんだ。それはある意味では、パワーを制限するという機能が十分研究されていなかったせいもある。だから終戦後、条約によって全ての軍用ドールは廃棄された。危険だからね。
飛鳥「でも一部には生き残ったドールが居た。人間のフリをしながら、かろうじて廃棄処理施設から逃げた軍用ドールが。それがこの二宮飛鳥ってワケさ。女性型なんかは特に多かった。みんな必死になって逃げたよ。
飛鳥「さて、その逃げる時。ボクたちは自分たちの脳にある細工を施した。それが何か分かるかい?」
楓は黙って首を横に振った。
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