164:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:51:30.53 ID:49W9hqJ1o
卯月「芸能っていうのは名前だけで、別にタレントがいたりするわけじゃないらしいんです」
蘭子「渋谷さんが、よく間違われるんだって笑いながら言ってました」
美優「そういう所も相変わらずなんですね」
美優が笑うと、蘭子と卯月も釣られて笑った。
卯月は、思った以上に美優が楓の話題を怖がらないのが意外だった。
楓がいなくなった時……つまり死んだ時、美優がどれだけのショックと悲しみを背負ったか、卯月とて知らないわけではなかった。
しかし卯月をはじめ、他の誰も、楓が死んだ時の詳しい話を聞いたことがなかった。
ただ一つ聞いたのは、楓が昔作られた軍用ドールの廃棄されなかった生き残りという事だけだった。
その事実を知っているのも、美優の知り合いの中では渋谷家の者くらいである。
美優「前の名前の時、つまり『三池農場』の時も、別に農業とかをやっているわけじゃなかったんですって」
蘭子「ふぅん……でも、どうして名前を変えたんだろう?」
卯月「それ、お父さんに聞いたことあります」
蘭子「なんて言ってたんですか?」
卯月「気が付いたら変わってたんだ、がっはっは……って」
美優「なんですか、それ」アハハ。
蘭子「やっぱり、あの会社ヘンです」
そう言いながら、またみんなで笑うのだった。
すると、唐突に、何か奇妙な閃きのようなものが蘭子の頭をよぎった。
蘭子「美城芸能……み城げいのう……?」
卯月「? どうしたの、蘭子ちゃん」
み場けいのう……とまで考えて、蘭子は思わず噴き出しそうになった。
くだらない言葉遊びである。いかにもあの会社らしい冗談だった。
蘭子「なんでもないです。ふふふ」
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