25:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 03:58:55.64 ID:6D4QUdRpo
その夜、二人は改めてドールについて調べ、そこで初めて知った事がいくつかあった。
まず登録したアカウントには所有ドールの情報が紐付けされていて、PC、あるいはIDOLからいつでもドールの詳細な状態をリアルタイムで監視できるソフトウェアがある。
その他さまざまなオプション機能をアカウント経由で付与することで、例えば自我のまだ鮮明でない初期状態のドールをある程度コントロールできたりする。
楓「この挙動制御の機能を使えば、わざわざ人力で支えなくても蘭子は1人で鏡の前に立てたってこと」
美優「なるほど〜」
美優はしきりに頷きながら熱心にメモを残している。
この時代に手帳を持ち歩いているアナログな人間である。
楓「あと、標準搭載されてないけど、こっちのオプションはかなり重要みたいですね」
美優「どれですか?」
楓「自己防衛と危険察知の機能です」
ドールは自分の身を守るという能力を学習によって会得する。
つまり、初期状態では何かの拍子に大きな事故を起こしてしまうことも十分あり得るのだった。
楓「説明を読むと、これはあくまで自我形成に向けた矯正装置のようなもので、常に安全でいる事を保証するわけじゃないと」
美優「ふむふむ。でも無いよりずっと良いと思います。これ、今すぐ付けられますか?」
楓「出来ますけど、有料みたいですね」
美優「えぇっ!ここにきてお金払うんですか?」
楓「あくどいですね〜」
笑い事ではない、と美優は思った。
しかし想像していたよりずっと小額だったので胸をなでおろした。
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