39:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:31:32.79 ID:6D4QUdRpo
それから二週間も経つと、蘭子の手足は鎖から解き放たれたように自由に動かせるようになっていた。
力は弱いが、物を掴んだり、走ったりすることもできる。
一応、例の自己防衛と危険感知のオプションは付けたままだが、傍目にも無茶に動いている様子を見ると、それが十分な機能を発揮しているかは疑問であった。
そのため、美優は以前にも増して蘭子に付きっきりで世話をするようになった。
蘭子は、いくら精神的に幼いとはいえ体躯は14歳の少女と変わらない。
もし彼女に暴れられたら美優には手が付けられないのではないかと心配したが、実際は筋力が弱いおかげで容易に主導権を握ることができた。
また自由意志の発達によるものか、好き勝手に動き回ることも最近は増えたが、「駄目」と注意すればわがままも言わず素直に従い、覚えも良いので美優は思ったより多く気を使わずに済んだ。
そして、今はもう単語程度ならはっきりと発音できるようになった。
同時に、いくつか名前も覚えた。
蘭子「みゆ、みゆ」
そう言って美優の元へちょこちょこと歩いて来ては、「らんこ」「かえで」などと言うのだ。
美優「ちゃんと言えて偉いね〜」
そう言って頭を撫でてやると、「えへへ」と嬉しそうに笑うのだった。
美優(私もうお母さんでいいや……)
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