過去ログ - 楓「命短しススメよ乙女」
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41:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:33:00.84 ID:6D4QUdRpo
美優「それは、できればそうしたいですけど……蘭子ちゃんがいますし」

蘭子には戸籍がないのでパスポートも作れない。
そもそも、現在この国ではドールに関する法がまだ整備されきっておらず、ドールを連れて外出するのでさえ協会に申請しなければならないと説明したのは楓である。
ちなみに協会とは全国ドール協会のこと。登録した時に同時に入会することになっている各メーカー協賛組織である。

楓「そんな……美優さんがいない1週間なんて、私寂しくて耐えられません」

美優「バカなこと言わないでください」と顔を少し赤くする。

楓「だいたい、美優さんこそ私が居なくて大丈夫なんですか?」

美優「あー……実はそれもちょっと心配で」

美優は気が小さく、人見知りである。もちろん自信家でもないし、度胸があるわけでもない。
1人で海外に、それも1週間も滞在するのは彼女にはやや荷が重かった。

楓「やっぱり私が付いて行ってあげた方が……」

数ヶ月前、同じように海外出張の仕事があった時は楓が休暇を取って美優に同伴した。
その時美優は、現地での買い物や交通、その他生活的なコミュニケーションは自分1人では到底無理だと悟ったのである。
何から何まで楓の世話になりっぱなしだった。実際、仕入れ先との商談のほとんどは楓のおかげで成立したと言ってもいい。
片言の英語でも、楓が翻訳機器も使わずに自然に意思疎通できているのが美優にはこの上なく不思議だった。

楓はこういう時は本当に頼りになる女性なのである。
そして同時に、美優は自分のふがいなさを呪うのであった。


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