65:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 22:07:10.76 ID:6D4QUdRpo
外へ連れ出すだけなら難しい事ではなかった。
一応、協会へ申請する決まりになっているが、ドールが所有者の居住範囲から離れた時に所有者のIDOLに自動的に許諾通知が届くようになっているため、煩雑な手続きなど一切する必要がないのだ。
美優たちは単に蘭子を外に出すのを怖がっているだけなのである。
一口に怖いと言っても、その理由は様々だったが。
そしてとうとうある日、蘭子が言った。
蘭子「……私、外の世界に行ってみたい」
3人で夕飯を食べている時にぼそっと呟いたのである。
楓も美優も、蘭子の口からその言葉が出てくるのは時間の問題だと思っていたが、いざ本人がそれを望んでいるのだと分かると少し動揺した。
美優「どうしたの、急に」
蘭子「……ううん、なんでもない」
楓「言ってごらんなさいな」
楓も美優も、蘭子が何かやりたいと言った事を頭から否定するようなことはしなかった。
蘭子「…………今度、隣町の商店街に飛鳥先生が来るって……だから」
飛鳥先生とは蘭子の好きな漫画家の一人である。
美優「会ってみたいのね?」
蘭子「…………」こくり。
楓と美優は顔を見合わせた。
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