過去ログ - 花陽「カリスマ」
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14:名無しNIPPER[saga]
2016/06/03(金) 23:09:15.95 ID:UvARFro70
「そうやんなぁ……。今の花陽ちゃんたちに必要なんは、にこっちやと思うんよ」

 その夜。電話口で響く希ちゃん独特の柔らかな声音は、冷たい不安に絡まって動けなくなりそうだった私の神経をゆるゆると解してくれるようでした。散らかった話題の間をとりなして、希ちゃんは教えてくれました。絵里ちゃんとは違う大学に通いながらも何かとよく顔を合わせていることや、にこちゃんの現状について。その中で、優しい希ちゃんの提案に声が詰まりそうになるのを堪えながらお願いしました。スケジュール的に間が空いてしまうのは避けられないけれど、との注釈付きで、それとなく、雰囲気を察して頼んでみるとの約束をもらいました。

「あ、電話切り際にごめんな? これはウチの想像やけれど、にこっちにも、花陽ちゃんたちが必要なんやないかな。物事を教わるんに、上も下も無いと思わへん?」

 そして私の目の前に今、当のにこちゃんがいます。希ちゃんへのお礼は何にしようかなんてことは後回しにして、いざ本題を切り出そうと両の爪先に力をこめたときでした。


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