18:名無しNIPPER[saga]
2016/06/03(金) 23:18:50.52 ID:UvARFro70
「なんでなの? なんでにこちゃんは、いつもそうなの? いっつも一人で全部背負い込んで、楽勝ですみたいな顔して……! 頼られたら手を貸すわよ! 倒れそうなら肩だって貸すわよ! 私たちじゃ頼りない!? ねぇ、少しくらい、少しくらい頼ってくれたっていいじゃない……」
先ほどから立ち上がろうとして中腰のにこちゃんの眼前に、噛み付かんばかりの剣幕で迫り、水平に射す太陽の灼熱に縁取られた赤髪の輪郭が、激情に燃えています。
「私も、凛も、花陽も、待ってるのに……。なんでそんな、思いつめた顔ばかりするのよ」
確実に掌に爪の跡が残るだろうと予想できるほど握り締めた拳の上に一粒、また一粒と輝きが落ちていきます。眉根を寄せたアメジストの両目から止まらない涙もまた、灼熱に燃えていました。
「真姫」
壊れ物を扱う速度でにこちゃんは、強張って濡れた真姫ちゃんの頬に触れながら、消え入りそうな口調で諌めます。
「ごめんなさいね」
何重にも輪をかけて悲壮な面持ちでもう一度、ごめんなさい、と二の句を次ぐにこちゃん。その返答にもはや激昂寸前の真姫ちゃんを制して口を挟んでしまう部長たる私は、やっぱり、ずるっこなんだ。
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