過去ログ - 花陽「カリスマ」
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3:名無しNIPPER[saga]
2016/06/03(金) 22:38:01.21 ID:UvARFro70
「部長のかよちんも好きにゃー」

 書類とノート、そして真姫ちゃんと私が占める世界に、もう一人の三年生が英語の補修を終えて帰ってきました。ショートカットに赤いリボンで、小さく結わえた橙色の尻尾が揺れる、私たちのリーダー兼、生徒会副会長です。

「おかえり、凛ちゃん」

 私の言葉を聞いてか聞かずか、狭い部室を一直線に駆け寄った勢いのままで真姫ちゃんに抱きついた凛ちゃんですが、抱きつかれたほうも中々満更ではなさそうです。
 頬をすり寄せられながら「アンタが遅いから練習終わっちゃったじゃない」などと悪態を漏らしつつも「真っ赤になってるのは凛にくっつかれて嬉しいからなんでしょー?」と返されたりしていて、二人のやり取りは軽快に熱を帯びていきます。
 傾きつつある太陽を背負い、机上に広げていた申請書や企画書の類をそそくさとまとめたら、薄っすらと汗ばんだ私は胸元のリボンをほんのちょっと緩めます。節度をもって、あくまでも、破廉恥にならない程度に。
 隙間ができて自由を得た首周り。手の中のリボンは、心持、角が擦れて色も褪せてしまっています。


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