過去ログ - 提督「荒潮がセックスと言うのだから、朝潮もセックスと言うのだ」
1- 20
1:名無しNIPPER[saga]
2016/06/06(月) 04:25:21.33 ID:iz0HsH6m0
荒潮は己の言語活動全てを「セックス」にしてしまうほど世界に絶望しているのだ。朝潮はそう思った。

「セックス」。荒潮がそれを言ったのは朝の出来事であった。朝潮と荒潮は二人向かい合って朝食のテーブルに座している。

初夏の季節。大きく開かれた窓から風が滑り込み白いレースのカーテンを大きく孕ませていた。旅行者めいた涼やかな風に揺れる机上のキキョウ。机の下には覚えのない白猫が寝転んでいた。遠くからキジバトの特徴的な鳴き声がホーホホッホホーと聞こえてくる。

「セックス」。荒潮は再び言う。キジバトの声がホーホッと半端に途切れて静寂。朝潮は焼けたトーストにピーナッツクリームを塗る手を止めた。

荒潮は澄んだ瞳で朝潮のことをじっと見ていた。朝潮には荒潮の発言がとても純粋なものに思われた。

「セックス」。荒潮は三度言う。先ほどと変わらず底意のない純粋な言葉だった。それのみで全てが完結していて含みがない。

SSWiki : ss.vip2ch.com



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
31Res/15.74 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice