過去ログ - 提督「荒潮がセックスと言うのだから、朝潮もセックスと言うのだ」
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9:名無しNIPPER[saga]
2016/06/06(月) 04:40:39.64 ID:iz0HsH6m0
朝潮は束の間逡巡すると、思い出したように机上に残されたキキョウの花びらを持ってきて、ピーナッツクリームを糊にして貼り付けた。白い五芒星がワンポイントになり、とりとめのない印象が抑えられ、少し洗練された感じになった。

朝潮は荒潮に対しピーナッツクリームの運命と白猫の運命のどちらが勝利すると考えるかと尋ねる。「セックス」。言下の解答は予想できたものだったので、朝潮は特に気にかけることもなかった。

それに朝潮にしてみれば、結果は分かりきったものだった。かたや単なる物体としてのトースト、かたや意識ある生命としての白猫。運命に強度というものがあるとするなら、当然生命の運命の方が強度はあり、物体の運命に勝利するだろう。いったい猫がピーナッツクリームに遠慮して自分の背中を犠牲にするなんてことがありうるものだろうか。

朝潮は一階の窓から顔を出す。東の水平線から赤みがかった朝日がいまだ眩しく切り込んでくる。反対側の半透明な夜空には月が今にも消え入りそうな亡霊の如く浮かんでいた。

朝潮は白猫をその背中側から抱き、窓の外に突き出す。猫を地面に直接つけようとする己に気付き朝潮は慌てて持ち直すと、そっと上空から落とした。高さでいうと一メートルもない。注目すべきことは何もない。朝潮はもう賭けの内容さえ半ば忘れ無関心な装いだったが、しかし、猫が地面に至ることはなかった。

たった一メートルの落下中に不自然なほど急にぐるりとトーストが猫を上にするように回転したのだ。だからといってトーストが地面についたわけでもない。更にそこから半回転し猫が下になる。そして更に半回転。


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