76: ◆Q/Ox.g8wNA[sage saga]
2016/06/16(木) 21:47:42.35 ID:AWG3L3fa0
「事故??」
都が眉間に皺を寄せて智恵理に聞き返した。
「そうなんです!あの日、幸子ちゃんが会場を飛ぶって聞いたみりあちゃんが、仕掛けをみたいって言い出して…」
「プロデューサーとみりあちゃんと私で、仕掛けの舞台まで見に行ったんです。
舞台は鉄骨で出来てて、10m程梯子で登る様な仕組みになってました」
「私も下までは付いて行ったんですが、梯子で上に登るのは怖くて下で…」
智恵理がそう語るのを聞いている都の顔を、脇からゆりあが覗き込む。
都は頷きながら智恵理の話を聞いているが、何処か納得出来ない部分が有るのか眉間の皺は依然、寄ったままだ。
「そうしたら、上の方から叫び声が聞こえてっ……、同時にみりあちゃんが上から落ちてきたんです……
「私、すぐに声掛けたんです! みりあちゃん、みりあちゃん!!って!!
でもっ…、首は変な方向に曲がってるし、反応も無くて……っ…見るからに即死でした…」
「すぐにプロデューサーさんが青い顔で梯子を降りてきました…、みりあちゃんが足を踏み外したって…」
「その時に、私にプロデューサーさんが言いました。 頼まれたんです!!
今、事故を公表するとライブが中止になる。 今まで必死に準備してきたみんなが悲しむ、
そんな事、みりあちゃんもそんな事望んでないって!!」
智恵理は感情が爆発した様に、抑えきれずに眼に大粒の涙を浮かべると当時の状況を捲し立てた。
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