79: ◆Q/Ox.g8wNA[sage saga]
2016/06/16(木) 21:49:15.88 ID:AWG3L3fa0
都は智恵理の方に振り向くと、
「まず、智恵理君、幸子君が舞台を飛ぶと言う話をプロデューサーがみりあちゃんにした時、他に人は居たかい??」
と、尋ねた。
智恵理は困惑した様子で、
「え、いえ、いませんでしたけど…」
そう答える智恵理に都は納得する様に頷いて、
「ふむ、そうだろうね。
なら、みりあちゃんが舞台に行きたいと行った時、プロデューサーは君に一緒に行こうと誘わなかったかい??」
と、重ねて尋ねた。
「はい、確か…そうだったと……思います。」
「だろうね、そうだろうとも」
「何故なら智恵理君、プロデューサーは君を共犯者にしようと、以前から決めていたんだよ」
当時を思い出すようにして答えた智恵理に、都は納得する様に頷き、断定するように智恵理に告げた。
「そ、そんな…」
戸惑う智恵理を前に、都は一気に自分の推理を捲し立てる。
「プロデューサーに固執する所のある君なら説得しやすいと踏んだのだろう、それに智恵理君、おかしいとは思わなかったのかい??
会場の衣裳部屋に、君の髪型ソックリのウィッグが置いて有った事を。」
「髪型程度ならどうにでもなるが、君の髪は独特の赤みがかった色をしている。違和感無いほどのウィッグとなると、そう偶然には置いて無いだろう」
「おまけに君が着たスタッフの衣装もそう簡単には手に入るとは思えない。事前に用意しておいたと考える方が自然だ。
その二つを前々から用意でき、会場に置ける人物はおのずと限られる」
「それを二つとも用意できる人物…、つまりプロデューサーは、みりあちゃんが死亡する前からこの二つを用意していたんだ。」
「それは何を意味するか??」
「つまり、それを使用して無理なく会場に遺体を運び出せるように……要するに、前もって全ての段取りを整え、
明確な殺意を持ってみりあちゃんを舞台に誘い込んだんだよ!!」
違うかい、プロデューサー、と、都はプロデューサーの方を振り向き、言葉を纏めた。
プロデューサーは既にスコップを地面に置き、俯いて無言のままである。
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