過去ログ - 十一年後の名探偵
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91: ◆Q/Ox.g8wNA[sage saga]
2016/06/20(月) 05:24:21.72 ID:TIm4kW2d0
キョトン、とするプロデューサーに、都は言葉を続けた。


「何故なら、リハーサル中のみりあちゃんは終始屈託のない笑顔だった」

「幾ら君と別れない事になったとは言え、妊娠などと言う取り返しの付かない状態に置かれているのに、
人はあんな風には笑えないよ」

「体調の変化も無さそうだったし、リハーサルも激しく動いてお腹を気遣う様子も無かった、まあ、まず間違いないだろうね」

「まあ…、それも今となっては、真実は誰にも分からない訳だが…」


その言葉を聞いて、ポカンとした表情になったプロデューサーが、不思議そうに都に尋ねた。


「……何故だ?? …死体の骨盤を見れば…妊娠してたかどうか、分かるんじゃないのか…??」

その言葉を聞いて都は、

「ああ、あれはただのカマ掛けだよ。
白骨死体を見て妊娠していたかどうかなんて分かる訳ないじゃないか。骨盤を見て分かるのは精々男女の違い位だよ」

事も無げに言い捨てる都の言葉に、あんぐりと口を開け、呆然とした表情を向けるプロデューサー。


「ならば何故、みりあちゃんは君に妊娠した、等と告げたのか――」

「私が思うに、ソレは幼い少女が愛する人に捨てられたくない一心でついた嘘――」

「君は、少女が思い付きで考えた精一杯の嘘を真に受けて、怯えて殺しただけの哀れなピエロ――その可能性が極めて高い」



「君が少しでもみりあちゃんに誠実に向き合えば、こんな事にはならなかったかも知れないね――」

心底哀れそうに、都がプロデューサーに告げた。






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