13: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/06/07(火) 22:48:01.31 ID:wyDFH4YB0
その先を考えそうになって、否定するように声を出した。
「なあ、幸子。もうやめよう」
絞り出した声は震えていた。
「幸子が恥ずかしがることなんて、何もないんだ。誰も幸子を笑ったりやしない」
「俺も、幸子の親御さんも、小梅も輝子も紗枝も友紀も、事務所のみんなが幸子を心配してる」
「あのライブだって、悪いのはちゃんと幸子を見てやれなかった俺だ。責められるのは俺なんだ。そのことで幸子を悪く言う奴がいたら、今度こそ俺が守るから」
「だから……!」
ボロボロと涙が溢れた。
ここでは泣いてはいけないとずっと思っていたのに、一度溢れた涙は止まらなかった。
静かな廊下に大人の嗚咽だけが聞こえていた。
やがてスマホの着信音が鳴った。
『ごめんなさい』
「幸……子……」
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