過去ログ - もしライブ! 〜もしもμ'sのみんながUTX学院生だったら〜 後編
1- 20
137: ◆Qe7X7xrNvI[saga]
2016/06/08(水) 23:35:29.47 ID:RPa3KIXbo
温かい。


両の手で抱きしめられて。


全身が、彼女にすっぽりと収まって。


傘は道端に転げて、二人共冷たい雨に打たれているのに。


温かい…身体が、心が。


彼女の言葉は、姿は、途中から意識できなくなっていたけど。


何かが瓦解するように、目から大粒の雫がとめどなく溢れ出ていたから。


声を殺して、彼女の胸元を涙で濡らしてしまう。


こんな姿、見られたくなかった。


恥ずかしくて、みっともなくて。


アイドルが嫌になった春でさえ、誰かに涙は見せなかったのに。


だけど、不思議と、心地いい。


幼い頃を、思い出していた。


昔もこうして、ママの胸の中でよく、大泣きしていたっけ。


ママの胸が、優しく、温かく、私を包んでくれた。


その度に、強くなれた。


私の大粒の涙は、雨にかき消され。


彼女の服に、その跡が残ることは、なかった。




希「…西木野さん」

真姫「…ぅ、ぇ?」


急に声を掛けられ、驚く。

声がかすれて上手く返事ができなかった。


希「明日、またうちに会ってもいい、って思ってくれたなら…専攻の指導が終わったら、すぐ帰ってきて欲しい」

希「西木野さんに見せたいもの、あるから」

真姫「…」


声をだして、返事したかったけど。

なんか言えば、今度こそ泣き喘いでしまいそうだったし。

ただ、頷くことしかできず。

彼女に肩を抱えられたまま、私は自分の家の、玄関を開けた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
618Res/1157.02 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice