過去ログ - もしライブ! 〜もしもμ'sのみんながUTX学院生だったら〜 後編
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386: ◆Qe7X7xrNvI[saga]
2016/06/13(月) 23:52:19.96 ID:Sb72Tf+Ao
絵里の部屋


絵里「…穂乃果」

穂乃果「はい?」

絵里「私はね…正直」

絵里「あなたはもう、友達の作ることのできない子になったんだと思っていたわ」

穂乃果「…え」

絵里「私の徹底した練習環境のせいで、心まで凍てついて…」

絵里「誰もに心を閉ざした、未来のUTXの破滅の象徴…そんな存在になると私は思っていたの」

穂乃果「…ひどく、嫌なものと考えられてたんですね」

絵里「ねぇ、教えてくれないかしら。どうしてあなたは…そうなれたの?」

絵里「言い方は悪いけど…あなたは私の同類になってしまったと感じていたのに」

絵里「何があなたを…?やっぱり、真姫…?」

穂乃果「西木野さんは…直接は関係ありませんよ。間接的には関わっているのかもしれませんけど」

穂乃果「そもそも私は…心を閉ざすことなんて出来ませんでした」

穂乃果「あなたのように強くありたいと思って、無駄なものを全て削ぎ取って、冷静で、冷酷でいよう、なんて…去年は思ってましたけど」

穂乃果「…結局、そうはなれなかった。上辺だけ…ただ他人と自分を傷つけた、それこそ無駄な、冷たさでした」

穂乃果「何かを捨てるたびに泣いて、悪夢を見て。妹だけに本音を吐いて、慰められて」

穂乃果「そうして、外では強くて冷たい高坂穂乃果を演じてきました。だから本当は私は…弱い人間のままだったのかもしれません」

絵里「…そう。そう、なのね…」

絵里「だとすれば、私も…まだまだね」

絵里「人の心を完全に掌握した気でいたつもりが、まさか…一番似ていると思ったあなたの心を、一度も読むことができなかったのだもの」

絵里「もう、完全に凍てついたものだと思っていたのに…そうなのね。だからあなたは…」

絵里「…そんなに、優しくなれるのね」

穂乃果「優しい…?」

絵里「えぇ。冷たくなんかない…本当のあなたは、温かくてとても優しい子」

絵里「こんな、どうしようもなく落ちぶれた私にまで、手を差し伸べてくれるのだもの」

絵里「でも、だったらね。…私なんかに構っていちゃダメよ、穂乃果」

穂乃果「どういう、ことですか…」

絵里「あなたが手を差し伸べるべきは、あなたが冷たい人間を演じることで傷つけてきた人」

絵里「私には勿体無いわ。あなたの手のひらは温かすぎて、火傷しそうだもの」

絵里「行ってあげて。あなたを本当に必要としている子たちの元へ」

穂乃果「絵里、さん…。でも…」

絵里「平気よ。あなたの言葉で気づかされたから。一人でも、もう夢は探せる」

絵里「あなたと共に歩むのは…きっと私じゃない」

絵里「…これが、最初で最後の…真の指導者としての私の言葉」

絵里「友達はこれで、おしまい。さぁ、…行きなさい。高坂穂乃果」

穂乃果「…っ!わ、分かりましたっ…!!」ダダッ…



絵里「…」

絵里「…これで、いい」

絵里「あの子の手のひらの温かさだけで…私は十分に救われたもの」

絵里「寂しくなんて、ない…」


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