過去ログ - もしライブ! 〜もしもμ'sのみんながUTX学院生だったら〜 後編
1- 20
6: ◆Qe7X7xrNvI[saga]
2016/06/07(火) 23:03:54.36 ID:MPhm2LATo
いよいよ、この日が来てしまった。


何日ぶりだろうか。


こんなにきっちりとした身なりになるのは。


新品の服に身を包み、髪も整えて。


外見の清潔な格好とは裏腹に、私の心はとても億劫だった。


できればこのまま二度と、外に出たくなかったけど。


だけど、せめて高校は卒業しろって両親がうるさいから。



「…はぁ」



重いため息が宙に舞う。


少し早いけど、そろそろ行こうかな。


いつまでも家にいるほうが、かえって憂鬱な気分になりそう。


一度行ってしまえば、きっと拍子抜けするほどなんてことないはず。


自分の部屋の扉を開けて、足早に階段を駆け下りて。


両親には顔も見せず、朝食も食べずに革靴に履き替える。


二人が嫌いなわけじゃないけど、もう気まずくてまともに会話もできない。


学校に言っても、誰かと話をするなんて出来やしない。


…いいんだ。私にとって、学校なんてもう…。


ドアノブに手をかけ、もう一度ため息。…もとい、深呼吸。


心の中で唱える。せーのっ…。


ガチャッ、という音を立ててドアが開き、外へと出る。


久しぶりに、外で青空を見たような気がする。


後ろでドアの閉まる音が聞こえる。


両親には、何も言えなかったけど、せめて。


私をずっと匿ってくれた、この家にだけでも出発の挨拶を。



「いってきます」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
618Res/1157.02 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice