過去ログ - 戸塚「あの二人が喧嘩なんて珍しいね」
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◆MkSA1jS.PY
[saga]
2016/06/08(水) 08:00:40.59 ID:OKdS1PmPO
違和感の発端は教室から。ここしばらく、由比ヶ浜は毎日の昼休みを三浦たちと過ごしていた。
放課後も、部室に少しだけ顔を出してすぐに帰っていく。いつもは聞いてもいないその後の予定を聞かされていた俺が彼女を気にかけるのに、そう時間はかからなかった。
由比ヶ浜と同様に、雪ノ下も様子がおかしい。早退を申し入れる由比ヶ浜に目もくれず、「そう。ではまた明日」そう言って長机の端に積み上げた文庫本よりも大きめな冊子を黙々と消化していた。
また、読了速度が尋常じゃないペースであること、読書中の雪ノ下がはっきり言って情緒不安定であることが俺の不安に拍車をかける。
雪ノ下のほっそりとした足元に置かれた紙袋。その中に入っている読破した冊子はかなりの数である。
しかし、パラパラと捲っているだけで終わった物は計り知れず、たまに牛歩のようにじっくり読み込むことがあっても、雪ノ下の顔は苦虫を噛みしめるようなものに変貌している。
俺は好奇心に駆られて山のように積み上げられた冊子を手に取ろうとした。すると、雪ノ下は陽乃さんを思わせる威圧感で俺を萎縮させ、平塚先生よりも速い手刀で右の手の甲を叩き落とした。
「これは借り物だから、あなたが触って良いものではないの。ごめんなさいね比企谷菌」
いつもなら、お前それ謝ってんのと言い返していたと思う。でも、孤高の雪ノ下雪乃に私物を貸す人間がいて、それが恐らく由比ヶ浜結衣ではないことに俺は動揺していたんだと思う。
その日、どうやって家路についたのか。
俺は全く覚えていなかった。
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