過去ログ - 岡崎泰葉「十年後の私と十年前のあなたへ」
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8:名無しNIPPER[saga]
2016/06/12(日) 20:50:41.65 ID:A+Nn5pwS0
 それから、私たちは何も話さなかった。何も話さないまま、ゆっくりコーヒーを飲んだ。

 コーヒーを飲み終えてからも沈黙は続いた。それを破ったのはPさんだった。

「そろそろ、出ようか」

「はい」

 そして、私たちは喫茶店を出た。喫茶店を出て……その店の、前で。

「それじゃあ、またいつか」

「ああ。またいつか」

 それだけを言って、私たちは別れた。

 もっと言いたいことは……話したいことはあった。

 でも、それを話すべきではないと思った。いちばん伝えたいことは伝えた。それだけで良いと思った。それだけが良いと思った。



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