過去ログ - 主人公「学校一週間休んだら世界がゾンビで溢れてた」【たまに安価】
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28:名無しNIPPER[saga]
2016/06/13(月) 22:37:18.19 ID:vH21Cuxe0

 緊張感のない話だが、斜面を登る事もできない情けないゾンビに怯える事など出来なかった。

 むしろ知らない女性と手を繋いで歩いている事の方が心臓に与える刺激は強い。

(人生で一度も彼女のいない僕には刺激が強すぎます!)

 加えて利き手で持っている刀はずっしりと重い。この先の武器としては頼りがいがあるような荷が重いような微妙な感覚だ。

「大和さんは……」

「大和、もしくは涼香で良いぞ。女子高育ちの私は異性と接触の機会がなくて大体呼び捨てだったからな」

「じゃあ、大和」

「涼香で良いぞ」

「………」

「ん? 遠慮しているのか?」

(最初から言え……)

 少し一緒にいれば分かる涼香の鬱陶しさ。

 可愛さ余って憎さ百倍だ。女特有の陰湿な部分がないだけマシだが。

「……涼香の家族は?」

「………ああ、心配するな。私の両親は海外でゾンビになっているだろう」

(何だか声のトーンが変わったな。哀しみを乗り越えたというよりは……)

 最初から両親に対する心配など一切していないような。

「そうか。じゃあ俺の家族の心配をしてくれ。少なくとも妹は生きていると思うんだ」

 瞬間。涼香は僕の手を強く握った。

「それが君の本質か? 正直惚れてしまうぞ?」

「いや、良く分かんないけど……」


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