過去ログ - 主人公「学校一週間休んだら世界がゾンビで溢れてた」【たまに安価】
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名無しNIPPER
[saga]
2016/06/13(月) 22:48:53.17 ID:vH21Cuxe0
「あぁ……うぅ……」
川に沿って歩いたからと言って、ゾンビが大人しくしているかと言えばそうでもなかった。
「下がってろ涼香。つーか手を放してくれ」
「いや、怖くて手が離せん」
「……他意はない!」
ふに!
「ひゃぁん!?」
僕は思い切り涼香の胸を揉んだ。彼女は思い切り跳び上がると僕の手を放して距離をとった。
「き、ききき、君! いくら親しい仲とは言えいきなり女性の胸を触るだなんて許されない行為だぞ!」
「はぁっ!!」
涼香の言葉に耳を傾けている暇はない。
僕は思い切り刀を振り下ろした。
(くそっ! 胴体は骨が多くて勢いが削がれた!)
素人の自分はいかに骨が硬いか想像できなかったのだ。
まるで鉄に当たったかのような硬さに手が痺れてしまった。ゾンビの左肩から背骨までも到達せず刀は止まっている。
(抜こうにもゾンビが手を伸ばして……っ)
早くも嫌な予感が的中した。
僕はあまりにも大きな力を手に入れて調子に乗ったのだ。
使いこなせない力はないのと同じなのに。
「折れたらごめん涼香!」
「えっ!?」
僕は刀から手を放すとゾンビの胴体を思い切り蹴飛ばした。
「ごひゅっ!」
口からどす黒い液体を吐きだすゾンビ。ご飯に箸を立てたような形で刀の柄が天を向く。
「どっこいしょ!」
ゾンビのヘソ辺りを足で押さえ思い切り刀を引っ張り抜く。心臓が動いていないのか血管から血が噴き出す事はなかった。
(刀として使うのはやめよう)
バットのようにした方が使いやすいだろう。
「だけどその前に……」
「南?」
涼香の声を無視し、僕はサラリーマンの姿をしたゾンビの首に向けて刀を振り下ろした。
「かった!?」
首の骨も太くて硬い。
何度か振り下ろしてようやく首の切断に成功する。
「………やっぱり動くか」
「どういう事……?」
涼香が首を傾げた。
僕は説明しようにも知識が足りないのか適切な言葉が思い浮かばなかった。
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