20:名無しNIPPER[saga]
2016/06/15(水) 00:56:47.79 ID:sf9XWsg90
「ホント、どうしようもない人ですね……しょうがないので、最後におまじないです」
「えっ……んっ」
驚く彼の顔に、震える唇で無理やりキスをする。
ほんの一瞬で離れてしまう、でもありったけの気持ちを込めて。
私を見つけ、輝く世界に連れて行ってくれた彼に、めいっぱいのハナムケを。
「あなただけの女神から、特別なおまじないです。無病息災、商売繁盛。でも副作用として、女神以外からは全く相手にされなくなります」
「なんです、それ。自分で女神って言っちゃってるし」
「いいんです。せいぜい遠くから、私の活躍を一人のファンで眺めていてください」
「……ああ、そうさせてもらうよ。これからは、一人のファンとして」
久しぶりに聞いた、私に向けられた砕けた口調。
『プロデューサーとアイドル』という関係にって、彼が使うようになった丁寧な言葉づかい。
それが今、取り払われた。
恋人でもなく、職場の関係も無くなり、残ったのは赤の他人同士。
あぁ。
終わっちゃったんだなぁ。
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