22:名無しNIPPER[saga]
2016/06/15(水) 00:57:53.54 ID:sf9XWsg90
追い出すように、平気な顔をして手を振って見送る。
玄関ドアが少しずつ閉まる。ゆっくり彼の姿が小さくなり、やがて完全に見えなくなる。
一瞬だけボーっとしてしまう。頭を振って無理やり意識を取り戻して、部屋に戻った。
「ふぅ。さて、後は段ボール取りに来てもらったら終わりね」
「あ、あの人ハンカチ忘れてる。まぁこれくらいなら勝手に買うよね」
「そういえば合鍵返してもらってないなぁ。すぐ引き払うし、別にいいかな」
「今日のごはんどうしましょう。荷物取ってきてもらってから作るのも面倒だし、外にいこうかな」
「そうだ。楓さんが行きたいところあるって行ってたっけ。連絡してみましょう」
スマートフォンを取りだし、ロックを解除。
待ち受け画面の写真は極力見ないようにしながら、電話ボタンを押す。
履歴にはある人物の名前で画面が埋まっていたので、すぐに連絡先を開いて「た」行から楓さんを見つけ発信する。
ほんのちょっとのコール音の後、やけに驚いたような声が電話越しに聞こえてきた。
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