過去ログ - 佐久間まゆ「運命、感じちゃいました♪」
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3: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/15(水) 20:21:12.19 ID:EtZDPatb0
 
「そっか。なら、良かった」

 まだ床に座ったままの少女に手を差し伸べながら、男はほっとしたようにため息をついた。

 
 それから、おずおずと自分の手を取った少女が、「貴方こそ、怪我を」なんて心配そうに謝るので、
 
「なに、心配してくれなくても大丈夫。君みたいに軽い女の子一人、受け止めるなんてワケないさ」

 そう言って男は、大げさに笑いながら自分の胸を叩いてみせた――本当は、痛みが腰にきていたのだが――
 この男、元来見栄っ張りなところのある性格だったのである。
 
 この時に張った小さな見栄のせいで、自分の後の人生が、
 平穏とはかけ離れたものになってしまうことなどつゆとも知らずに……

 自分よりも年下の少女に要らぬ心配をかけまいとして、男は強がって見せたのだった。


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