過去ログ - 京太郎「俺にイカサマを教えてください!」 哲也「断る」
1- 20
103: ◆yNqBRwiEr2[saga]
2016/06/23(木) 02:49:33.67 ID:4s0Lr3Rb0
京太郎は自分と麻雀部の事を一つ一つ話始めた。

どれだけ努力しても、たった一度の勝利さえ収められずにいる自分。
そして、努力だけでは埋められない“力”を持った少女達の事を。

哲也は相変わらず無言で煙草を吸っており、話を聞いているのかどうか分からない。
それでも京太郎は必死に話し続けた。

「そして、咲……俺の中学からの友人なんですけど、そいつ、毎回のように嶺上開花を和了るんです」

「毎回!?」

一通りの事を話し終え、最後に麻雀において自分と対極にある少女の名をあげる。
その時、それまで心配そうに二人を交互に見渡していたダンチが素っ頓狂な声を上げた。

「他の奴の強運やらはともかく、嶺上開花なんて偶然役だろ。それを毎回っつったらお前、積み込み……は自動卓だから出来ねえにしても、そりゃガン牌か何かだよ」

「ガン牌?」

「だからサマの一種だよ。牌の背中に何の牌か分かるように傷や印を付けとくんだ」

そう言ってダンチは呆れたように溜息を吐く。
結局は京太郎がサマに気付いてなかっただけだったのだと、そう納得したのだろう。

京太郎は静かに首を横に振った。

「いえ……あいつ、インターハイ県予選の決勝でも半荘二回で嶺上開花五回和了ってるんです」

「……向こうが用意した牌でカメラも入ってる。ガン付けは出来ねえってわけか」

手にした煙草から立ち昇る煙へと視線をやりながら、哲也がようやく口を開く。

「そもそも積み込みが出来ねえ以上、嶺上牌が何か知る為には全ての牌を識別する必要がある。んな事が出来る奴なんか、玄人にだってほとんどいねえ」

まるでその紫煙の先に、かつての宿敵の姿を見ているかのように。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
247Res/95.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice