過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―4―
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◆P2J2qxwRPm2A
[saga sage]
2016/12/24(土) 23:50:01.05 ID:S6YpyFGu0
「リリス、ピエリも手伝ったケーキなのよ。美味しいベリーを入れたから最高の味に仕上がってるの」
案の定、それをピエリさんは誇らしく私に見せつけてくる。これがピエリさんの魅力だと思う。自分のしたことに自身を持っていること、私はそんなに自信家じゃないから、そんな風に思うことなんてできない。
「ふふっ、ピエリさんは本当に料理が上手なんですね。私じゃとても作れませんから」
「リリスも練習すればできるようになるの。だから、ピエリのお料理いっぱい食べて、覚えるのよ」
ピエリさんはケーキをカットして小皿の上に乗せると、私の方に向いてくる。そしてフォークで一口分掬って、あ〜ん、と差し出してきた。
「ちょ、ピエリさんなにを……」
「早くぅ、リリス食べるのよ」
「これって、立場的に私がやるべきことなんじゃないんですか?」
「え、リリスもしてくれるの?」
「いえ、私だけがすれば――」
「リリス、ピエリの作ったケーキ食べたくないの? ひどい、ひどいの……ひっぐ」
「あー、食べたいです。すごく食べたい、あー、ピエリさんの作ったケーキ食べたいですねー」
「それじゃ、すぐに食べるの。はい、あーんなの!」
満面の笑みで急かすピエリさん、周りメイドさんたちの視線が一斉に集まっている気がする。というか、仕事しないでいいんですかというくらいに皆が見ている気がした。
だけど、このまま放置したらピエリさんがまた癇癪を起してしまうし、今日はピエリさんの誕生日なわけで私は覚悟を決める。
「あ、あーん」
遠慮がちに口を開ける、スーッと入ってきたフォークとケーキが口に入るとベリーの酸味のと甘味が広がる。噛みしめる度にベリーの果肉が弾けて、口の中に広がるクリームの甘味が層になっていく。スポンジも程よい柔らかさと甘味で、口の中に広がる味をしつこくないものへと変えていく。極上ベリーケーキというだけあって、文句なしにおいしかった。
「ど、どうなの? おいしいの?」
でも、なぜか聞いてくるピエリさんは少しだけ不安そうにしている。なんだか私の知らないピエリさんで、なんでだろうと思った。もっと自信満々においしい?って聞いてくれてもいいのになんて、思いながらすべてを味わって飲み込んで、素直にとってもおいしかったと私は答える。
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