過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―4―
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984: ◆P2J2qxwRPm2A[saga sage]
2016/12/25(日) 00:15:42.41 ID:VNmWVmvk0
「リリス……」
 
 抱きしめる手が強くなる。リリスが近くにいるのがとっても嬉しかった。
 ケーキも本当においしいって言ってもらいたかったのはリリスだけ、ダンスを踊りたかった相手もリリスだけ、ピエリはリリスと誕生日を過ごせればそれでよかった。
 だけど、本当にしたいことは誕生日を越えた先にしたかった。だって、誕生日にしたり、リリスに頼んでしてもらったら……。全部、意味のないことになってしまう気がして、それがとっても嫌だった。
 ピエリにとっての誕生日は、今まで欲しいものが全部手に入るものだったのに、これだけはそういう特別じゃない日に欲しいって思った。
 昔のピエリが今のピエリを見たら……、たぶんおかしいって顔する気がする。
 視線を下げると、リリスの顔がある。健やかに眠っている、人の時とは違う竜の時のリリスの顔。でも、どんな顔もピエリにとってはリリスでそれを見るとやっぱり胸がトクリッと音を立てた。目の前が蕩けたみたい、顔は熱くて頭はフラフラする。でも、瞳の中にはリリスがいて、その中に一番はっきり見える場所に、また胸が鳴った。

「リリス……」

 時計の針はもう境界線を越えてるから、魔法はもう使えない。
 誕生日の魔法が解けてるからピエリはただのピエリに、リリスはいつものリリスに戻る。魔法はもともと使えないからこれでよかった。
 少しだけ、リリスの体が震えてる。寒いからかもしれないって体を寄せた。
 一回、二回、三回、もう一度深呼吸して、息を呑む。
 そしてゆっくりと、その柔らかそうなそこに近づいた。


◇◆◇◆◇

 ピエリの誕生日。
 その魔法が解ける24時の先。
 その先のことは、彼女だけの秘密になった……


 ピエリリス誕生日SS 終わり


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