過去ログ - 奏 「赤ちゃんはコウノトリが運んでくるんでしょ?」
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9: ◆4C4xQZIWw7k3[saga]
2016/06/17(金) 00:38:16.69 ID:p/GW0CyRo
ーーー水平線の彼方、輝き疲れた太陽が、大海へ身を沈め羽を休める。

大海との抱擁を阻む鉄柵に手を添えながら、物憂げにその情景を見つめる少女。

沈む夕陽に照らされて、その瞳はトパーズに似た光沢を得る。

陽の届かぬ深海にも似た髪色と相まって、ほぅと息が漏れるほど美しい。

「………海はいいわね。 私の小さな悩みなんて全部拐ってくれるもの……」

髪をかきあげて、溜め息。

いっそこのまま消えてしまえたらどれだけ楽だろう。

思春期特有の物思い、少女はそれを自覚している。
しかし、理解したからといって霧散霧消するものでもない。

理解(わかる)が、操れ(わから)ない。

始春な心は、とかく度し難いものだ。



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