過去ログ - 奏 「赤ちゃんはコウノトリが運んでくるんでしょ?」
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99: ◆4C4xQZIWw7k3[saga]
2016/07/07(木) 13:35:01.90 ID:JzAJgkPCo

「………」

「馬鹿よ……ほんとに大馬鹿よ。 武士失格とでも言いたかったの? それこそ、武士失格よ……。 いい機会だから、ここではっきりさせておくわ」

きつく、抱く腕に力が入る。
逃げ場などない、私はここにいる、とまるでそう主張するような。

「あなたは、武士よ。 大真面目で、不器用。 それでいて女心のわからない大馬鹿者。 だけど、だけどね」

きっ、と顔を上げて、武士の目を見つめる。
釘の打ち足りないテーブルの足みたいに、彼の瞳は揺れている。

それは鋼の体に備わる、ガラスの心。
ヒビだらけで、継ぎ接ぎだらけ。

それでも二人が出会ったあの日。
確かに見えた、その奥で燻る魔法を操る妖精の素質を。


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