4:名無しNIPPER[sage saga]
2016/06/18(土) 21:37:21.18 ID:+UViICYm0
あの日も今日と同じように天気が崩れそうにも関わらず、傘を持たずに営業に出たのだ。
今日は雨が降るまでに帰るつもりだったからあえて持ってこなかったのだが、あの日は傘を手にする時間すらも惜しかった。
それまでに散々行った営業の成果なのか、30分以内に来れるなら話を聞いてやるという電話をもらって大慌てで飛び出したのだ。
結果はあまり良いものではなく、落胆しながら電車に乗り、駅に降りたときに丁度振り出したのだ。
「……ん」
ぼんやりとあの日を思い出していると、あの日と同じように声をかけられた。
声の方を見てみると、やはりあの日と同じ表情をしたポニーテールの女の子が立っていた。
「なんだ、迎えに来てくれたのか」
なんとなくあの日と同じセリフを口にする。来るを知っていたから待っていたのだが、あの日とまったく同じシチュエーションだったからなんとなくだ。
「……誰かさんが大慌ててで出ていくからだろ」
向こうも察してくれたのか、あの日とまったく同じセリフを返してきてくれた。
「……どうだった?」
セリフだけではなく、表情までもあの日のままに更に続けられると、まるで今日までの出来事は夢だったのかと思えてしまう。
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