7:名無しNIPPER[sage saga]
2016/06/18(土) 21:39:54.58 ID:+UViICYm0
「んー……あー……」
歯切れの悪い返事が返ってくる。いや、返事とも呼べないうなり声みたいなものだったのだが。
「えっと……、あたし……さ」
「ん?」
顔を見られたくないのか、持ってきた傘で顔を伏せながら隠すようにしているのだが、ビニール傘と言う事を忘れているのだろうか。
「Pさんとした会話はさ……忘れないようにしてるんだ」
傘越しに見える顔はここ最近でも滅多に見せ無い位に真っ赤になりながらそう答えた。
思いもよらない言葉に思わず足を止めて傘越しに顔をまじまじと眺めてしまう。
「……何か言ってよ。恥ずかし……い!?」
俺の反応が無かったのが気になったのだろう。今まで伏していた顔を上げた瞬間、傘越しに目が合った。
「あ……あぁ……! ああー!!!」
先ほどまでは真っ赤だった顔が、今まで以上に真っ赤に、それこそ絵具をぶちまけたくらい真っ赤になってしまった。
「そうだった……! これ、ビニール傘だった……! ああ、もう……!」
空いている方の手で頭を掻きむしりながら盛大に自己嫌悪に陥っている。
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