過去ログ - 【モバマスSS】時には、プリンの話を
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11: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/19(日) 02:01:55.74 ID:wjFhQvEZ0
 
「ひゃ、ひゃめへぇぇぇぇっ!!」

 少々乱暴な手つきでスプーンを口腔へとねじ込まれ、苦しさから体を捻る乙女。
 
 上品な甘みととろけるような触感が、舌の上を刺激する。
 そうしてのど元を過ぎる頃に遅れて感じるのは、甘さを引き締める少しの酸味。
 
 この味はそう、真夏の太陽をイメージさせる真っ赤な果実――。

===

「と……とまひょ?」

 呟きながら目を開けた乙女――神崎蘭子は、自らの置かれた状況をすぐには理解できなかった。
 
 うだるような暑さの寮の部屋。寝汗によって額に張り付いた前髪。
 二段ベットの下に転がる自分の口に、夢の中同様スプーンをねじ込んでいる人物と視線が合わさる。

 
「あ、おはようございます。蘭子ちゃん」

 それは魔物でも、立像でも、フードの少女でもない人物。
 
 一ヶ月程前に突然事務所へ押しかけて来て、そのまま寮に転がり込んできた女性。
 
 蘭子と同じ部屋で生活するルームメイト、佐久間まゆが微笑みながら、夢から覚めたばかりの蘭子の顔を覗き込んでいた。


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