22: ◆JgoilToZJY[saga]
2016/06/20(月) 06:22:37.71 ID:9fy5FiS10
優希ちゃんの体は、ボロボロだった。
着ている布は裂け、肌には傷がいくつもついている。
優希ちゃんの呼吸は荒く、結んでいた髪も解けてしまっていた。
重症、ではなさそうだが、酷い状態だ……
「馬鹿野郎! 優希ぃ……!!」
京ちゃんは、優希ちゃんを強く抱きしめた。
「い、痛い……京太郎……」
「! 済まん!」
ばっ、と京ちゃんは離れた。
優希ちゃんはふっと笑って、尻餅をつく。
私はすぐに駆け寄り、肩を抱いた。
「ま、心配すんな……ちょっとバケモン討伐に手間取っただけだじぇ……」
「バケモン……? この洞窟に伝わる怪物の事か!」
「優希ちゃんが、倒したの?」
「すまん、盛ったじぇ」
「でも、なら怪物は……」
優希ちゃんが、腕を上げて、広場の向こうを指さした。
そこに、巨大な物体が転がっていた。大きな岩にも見えるけど。あれが、"そう"なの……?
「最初は、いける、と思ったんですケドね。ちょっと無謀だったみたいで……結局、眠らせただけに終わったじょ」
「眠らせた……?」
「余ってたからな。催眠の薬が」
「あっ……!」
なるほど。親を眠らせる為に製作した催眠薬が、この怪物にも効いたと。
それでも、良かった……!
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