23: ◆JgoilToZJY[saga]
2016/06/20(月) 06:23:41.02 ID:9fy5FiS10
「きっとあの怪物の正体は、オオイワモグラだな。図鑑の絵と説明と合致する」
「大岩土竜?」
京ちゃんが、怪物の方向を見つめる。
大岩土竜。
京ちゃんの説明によると、極めて珍しい生き物……怪物らしい。
土竜と名は付くが、超巨大な土竜が巨大な岩の中に潜っているような外見からそう呼ばれているだけであり、土竜要素はほぼ全くない。との事。
「へっ……無駄な知識だけは詳しい奴だな、京太郎……」
「無駄じゃないだろ。俺と咲が無傷でここまで来れたのは、俺が勉強してたお陰ってのも、まあ、多少はあるし」
「ふん。調子に乗るんじゃないじぇ。のどちゃん追っかけるフジュンな動機でべんきょうしてるくせに……」
「それとこれとは、話が別だろ……!」
……優希ちゃんが、割といつも通りすぎる。
怪物と戦って満身創痍だった所為だろうか。
それともやっぱり……私がいるから?
「まあいいや。とっとと村に帰るぞ。んで、沢山叱られて、ちゃんと治療を受けて、しっかり休め!」
「……」
「優希?」
優希ちゃんが、京ちゃんの腕を掴んだ。
俯いて、前髪に、目が隠れる。
「おおいわナントカは、きっとすぐ目が覚めるじぇ」
「そうだな。危険だ。とっとと帰るぞ」
「私は、帰らない」
「……何言ってんだ!?」
「京太郎が、のどちゃん追っかけるの止める、って言わないと帰らない……」
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