27: ◆JgoilToZJY[saga]
2016/06/20(月) 06:28:43.65 ID:9fy5FiS10
グオオオオオオオオ……!
形容しがたい邪悪な叫びが、洞窟に響き渡った。
それは怪物が目覚めた証明に他ならない。
頭のスイッチを切り替えて、私は叫んだ。
「優希ちゃん!」
「だ、大丈夫! 動けるじぇ!」
逃げなければならない。
すぐにこの場を離れないと。
私は優希ちゃんの手をとって、通路の方へ駆けだした。
「京ちゃん!? はやく!」
「わかってる!」
京ちゃんは私たちの盾になるように動きながら、大岩土竜を警戒している。
大岩土竜の顔が、こちらを向いた。
獲物を捕捉した獣の眼差しをしていた。
「やべえぞ……来る! 逃げろ!」
一目散に、私たちは逃げ出した。
しかしそう易々と大岩土竜が獲物を見逃してくれる筈も無し。
通路に入り込もうとする私たちの目の前で、突如地面が隆起した。
これじゃあ前に進めない……!
「何これ……岩の壁!?」
「大岩土竜の技の一つだ! 地形の岩を操って、壁を作る事ができる!!」
「高い……! よじ登ってる時間なんかないじぇ……!?」
大岩土竜が足早に接近してくる。
正直、私は死を覚悟した。
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