31: ◆JgoilToZJY[saga]
2016/06/20(月) 06:32:29.55 ID:9fy5FiS10
――…明るい日差しが、私たちを照らす。
洞窟のすぐ外で、私は地べたに座り込み、なけなしの傷薬で優希ちゃんを手当てしていた。
優希ちゃんは借りてきた猫みたいに大人しくなっている。
「咲ちゃんは、京太郎に告白するか……?」
「ぅえっ!? な、なんの話!?」
「私は、京太郎がぶじに戻ってきたら、するつもりだじぇ」
「……!!」
「いいか?」
「それ、私の許可を取る事?」
「人の優しさがわからない咲ちゃんじゃないはずだじぇ」
優希ちゃんは微笑んだ。
綺麗な笑顔だった。
私は、認めなくてはならない。
「……好きにすれば」
「ありがとう!!」
惚れてしまいそうな、笑顔だった。
「……それで、咲ちゃんは、するのか? 京ちゃんに、告白」
「! だ、だからなんの話! 私が京ちゃんの事をっ……とかって、思ってるの、かな……優希ちゃん……!?」
「なぜそこで動揺する? みんな知ってる事だじぇ」
「うう……」
そんなの。
考えないわけじゃない。
でも、簡単に決められることじゃない……
別に、私の気持ちなんか、伝えたいけど、別に、伝えたところで京ちゃんが都に行くの止めるわけじゃないだろうし、じゃ、別に。みたいな。
伝える意味ある? みたいな。しかも今更? みたいな。今言われても、正直困るよね……とか思われたら?
絶対無理!!
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