過去ログ - 音葉「Ｖｏｃｅ」 -SS速報VIP

過去ログ - 音葉「Ｖｏｃｅ」

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176: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/06/26(日) 19:35:14.48 ID:2zknsu8Go

　それにしても。
　水着での撮影だから、準備にそう時間はかからないなどと。そんな根拠のないことを思っていました。
　実際は着付けはもちろん化粧にも、ヘアセットにも、ものすごく時間をかけるものと、今この場で理解しています。

以下略

177: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/06/26(日) 19:35:54.56 ID:2zknsu8Go

　ようやく。準備が整いました。
　不思議です。あまり恥ずかしさを感じません。
　ああ、これが。
　星花さんの言っていた「献身」。スタッフさんたちの気遣い、いいえ、『心遣い』です。

以下略

178: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/06/26(日) 19:36:45.89 ID:2zknsu8Go

カメ「よーし！　じゃあいくか！　Ｐちゃん、いいかい？」

Ｐ「ええ、お願いします」

以下略

179: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/06/26(日) 19:37:18.35 ID:2zknsu8Go

カメ「音葉ちゃんはさあ」

音葉「……はい」

以下略

180: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/06/26(日) 19:37:53.20 ID:2zknsu8Go

　不安は、あります。今までの自分とは違う自分を見せる、不安。
　そのプレッシャーを肌で感じていることは確かです。しかし。
　練習に明け暮れるうちに、感じたことがあります。

以下略

181: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/06/26(日) 19:39:02.01 ID:2zknsu8Go

　その声に、男性スタッフふたりが先生のもとへかけてきます。そして先生は、スタッフさんになにかを耳うちしました。
　うなずくスタッフさん。

カメ「あ、そうだ。ＰちゃんＰちゃん！　ちょっと来てくれるかなあ！」

以下略

182: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/06/26(日) 19:39:57.81 ID:2zknsu8Go

音葉「……Ｐさん！」

　私が驚いて叫ぶと、Ｐさんは「ぷはあっ！」と水面に浮かんできて。

以下略

183: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/06/26(日) 19:40:35.66 ID:2zknsu8Go

　撮影は進んでいきます。
　プールサイドに。水面に。いろいろな場所で、先生と私の共同作業が進行していきました。
　Ｐさんのスーツは、スタッフさんが責任を持ってクリーニングへ。
　代わりの服をすぐに手配してくれ、今はラフな格好で撮影に立ち会っています。

以下略

184: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/06/26(日) 19:41:05.61 ID:2zknsu8Go

　私はＰさんに視線を向けます。
　Ｐさんは視線に気づき、私に歩んできました。
　デビューを迎える私。しかし、持ち歌は多くありません。
　デビュー曲とカップリング曲、せいぜいその程度。そんな不安が、表情に出ていたのかもしれません。

以下略

185: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/06/26(日) 19:41:51.45 ID:2zknsu8Go

　Ｐさんからのリクエスト。
　私はその言葉に戸惑ったものの、そのＰさんの笑顔に、心の色を見たのでした。

　自分の思いどおりに。

以下略

186: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/06/26(日) 19:42:22.95 ID:2zknsu8Go

宮沢賢治　-　星めぐりの歌（Vo.遊佐未森）

以下略

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