9: ◆foQczOBlAI[saga]
2016/06/22(水) 00:18:40.79 ID:y9B6aTxU0
「ありすちゃんの要望には応えられるかわかりません。いえ、応えられません」
菜々さんは優しさと甘さの意味を履き違えない人。誰かがそう言っていました。
私はまさにそれを間違えていたのかもしれません。菜々さんは優しいから、甘くないから。
私のことを思ってしっかりと伝えようとしてくれる。そんな気がします。
だからこそ私は覚悟をして、まっすぐと見つめ返して、長い沈黙の後答えました。
「……はい」
「わかりました。まずこれは良識のある一般人の安部菜々としての意見です。諦めてください」
はっきりと言われました。刃物のような鋭い言葉、それは私の胸をえぐります。
凛とした声、それはどこまでもまっすぐに私の心を穿ちます。
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