24:名無しNIPPER[saga]
2016/06/23(木) 08:11:44.67 ID:ZgmUMJV+0
いやさ、俺も風紀だと思うんだけど先生が"柊に任せた―"って言ってたし」
・・・確かに先生から説明された記憶がある。2週間ほど前に。
一応覚えといて、程度だと勝手に思ってたら、いつの間にか俺が担当ということになってたらしい。
25:名無しNIPPER[saga]
2016/06/23(木) 08:12:20.17 ID:ZgmUMJV+0
何人かが顔を見合わせている。こんな適当でいいの?みたいな顔。
でも実際言わなきゃいけないことは特になかった。
「グループLINEに写真載せとくんで、よろしくです。文化局からは以上です」
26:名無しNIPPER[saga]
2016/06/23(木) 08:13:36.93 ID:ZgmUMJV+0
定例会が終わると、自転車に乗って家に帰る。
学校が田舎にあって、自分の家はさらに田舎にあるから途中には田んぼと、スーパー、家くらいしかない。
同じ方向の友達もいない。近いのに。
相変わらず何もない帰り道。急にショッピングモールとかが出来てもびっくりだけど。
27:名無しNIPPER[saga]
2016/06/23(木) 08:14:24.27 ID:ZgmUMJV+0
鳥居をくぐると、急に日陰になる。木々がざわめき、涼しい風が吹き抜ける。気持ちいい。
大自然に溢れる参道を歩いていると、かえるを見かけた。携帯を取り出してカメラを構える。
ちょっと写真失礼します、と神様に断りを入れてパシャリ。
境内で写真を撮って良いのか分からないけど、祟られたりはしないと信じたい。
28:名無しNIPPER[saga]
2016/06/23(木) 08:14:54.22 ID:ZgmUMJV+0
バッグの中を探ると50円玉が出てきたので、投げ入れて手を叩く。
普段ロクに敬わないくせに、こういう時だけ調子の良いことを頼んでもきっと叶わないだろう。
救われたければ常に信心を欠かさないことが必要なのだ。と前に本で読んだ。
29:名無しNIPPER[saga]
2016/06/23(木) 16:38:07.79 ID:ZgmUMJV+0
次の日学校に行くと、何だか席の周りが盛り上がってた。
「こいつ彼女いるんだって!マジ裏切り者!」
前の席のヤツに彼女がいたらしい。クラスの男子率98%を誇る高専男子からしたら大罪である。こいつは咎人だ。許されざる者だ。処すべきだ。
30:名無しNIPPER[saga]
2016/06/23(木) 16:38:40.39 ID:ZgmUMJV+0
クラスの男子率は98%だが、それは学校全体もそうとは限らない。
うちの学科こそ男しかいないけど、他の学科にはそれなりに女子がいる。
全体で見て20%程だけど。
きっと部活動を真面目にやってたら、マネージャーやら先輩後輩やら同級生やらとの甘酸っぱい物語も有り得るんだろう。
31:名無しNIPPER[saga]
2016/06/23(木) 16:39:27.98 ID:ZgmUMJV+0
2限の終わりのチャイムが鳴って、みんなバラバラと動き出す。昼休み。
バッグから弁当箱を取り出す。今日のおかずは卵焼き、ミニトマト・・・牛すじ煮込み。
昨日の夕飯の残りだ。汁気を切って、その上でラップに包んで弁当箱に入ってる。
32:名無しNIPPER[saga]
2016/06/23(木) 16:40:22.12 ID:ZgmUMJV+0
それに気づいた隣の席のヤツに聞かれる。
「・・・え、何それ」
軽く引いたような、戸惑ったような顔。
33:名無しNIPPER[saga]
2016/06/23(木) 16:45:31.20 ID:ZgmUMJV+0
現実は小説よりも現実的だ。当然だけど。
現実で起こることは必ず筋道が通ってるし、誰しもが平等じゃない。
悪が必ず滅びるわけじゃないし正義が勝つとは限らない。
ここまで能書きを垂れたけど、何が不満かっていうと兄弟がいないことだった。
34:名無しNIPPER[saga]
2016/06/23(木) 16:46:23.67 ID:ZgmUMJV+0
強いて言うなら、学年でもトップクラスの幼馴染ならいた。
でも別に恋愛感情を抱くこともなく、中学の時に同じく学年トップクラスの男と付き合い始めた。
そんな小説と違って面白みのない現実。そのうちの一つ。屋上。
249Res/114.25 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。