過去ログ - モバP「遅く起きた朝は」
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10:名無しNIPPER[saga]
2016/06/24(金) 22:26:47.46 ID:EdrVsbEMo


「で、何でわざわざ休日に電車で1時間もかけて来たんだ? 用事があるなら電話なりメールなりで連絡してくれれば良かったのに」


「昨日ウサミンさんに、プロデューサー殿が休みだと教えてもらったです。身の回りの世話をしてあげたら喜ぶって、快く鍵も貸してくださったですよー」


……まあライラを玄関の前で待ちぼうけさせるわけにはいかんからな。緊急時だよ、うん。グッジョブウサミン。


「それはまあ、うん。ありがとうございます」


そろそろ平静を装いきれなくなってきた。


「お世話はできたでございますが、もう一つ。せっかくのいいお天気なので、お願いがあるですよ」


「おう、なんでも言え。家事の礼だ、今なら大概の事は受け付けるぞ」


もとよりライラの頼みを断る言葉など持ってはいないが。


「おー、それはありがたいです。では、ちょっと待って下さいね」


ケータイ取り出しポパピプペ。未だに中折りタイプの携帯電話を取り出し、何事か操作を始める。


数瞬後、家の電話が音を立てる。固定電話が鳴るなんてどれだけぶりだろうか。


「これもウサミン星人の入れ知恵か?」


「はいです。ウサミンさんは負け知らずだそうですよ」


たぶん勝ちも知らないんだろうがな。


そんな事を考えながら、受話器を取りに行く。


「はい、もしもし」


「デートしてくれま・す・か?」


思わず振り向く。


いたずらが成功した子供のように笑うライラを抱き締めずに済んだ自分を褒めてあげたい。


「ライラさんは大丈夫ですよー?」


大丈夫じゃないから。俺が大丈夫じゃなくなるから。両手を広げて待ち構えるのはやめなさい、やめて下さいお願いします。




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