3:名無しNIPPER
2016/06/25(土) 02:22:10.00 ID:8rnfgebV0
寒い階段を下り進めると明かりが漏れていた。両親は帰っていないのでお兄ちゃんがまだ起きているのだろう。
扉を開けるとソファに座りテレビを見ているお兄ちゃんが視界に入った。
「お、小町。まだ起きてたのか」
「んー。勉強してた」
「そうか、お疲れ。ココアでも飲むか?」
「お願いー」
そういうとお兄ちゃんはキッチンへ行ってココアと自分用のであろうコーヒーを作り始めた。いつもしてもらっていることが何故かとても嬉しかった。
クッションに勢いよく顔をうずめソファに寝転ぶ。
最近お兄ちゃんは小町を気遣ってかあまり関わってこない。気持ちは嬉しいんだけど小町的にはポイント低いんだよね。
自分ではあまりわからなかったが体力的、特に精神的に疲れているようだ。だからこそ誰かに無性に甘えたかった。
お父さんは論外だし、お母さんは仕事で忙しい。というか昔から両親に甘えた記憶がほとんどない。でもそれは小町たちのために仕事をしてくれているから全然気にしていない。いつも感謝しています。
頭をぽんぽん叩かれた。ゆっくり振り返ると片手にカップを持ったお兄ちゃんがいた。
「ほい、できたぞ。机に置いとくからな」
「ん、ありがと」
お兄ちゃんが持ってきたココアを少し飲む。甘い味と香りが口内に広がり「ふぅ」と息を吐く。
猫舌の私を気遣ってぬるめに作ってくれたようだ。やばいにやける。
「……何にやけてんの」
「な、何でもない」
にやけてしまいました。こんなの小町のキャラじゃないのに…。
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